ギャンブル依存症克服はストーリーを読んで!

ギャンブル依存症を題材にした小説はいろいろと有りますが、ここでは読むだけでギャンブル依存症を克服し、防止までしちゃおうって寸法です。 きっとあなたのお役に立てると思います、是非お読み下さいね!

『キューピッドノリスト』 第4章 自分の場合

第4章 自分の場合


今まで、何とも思わずにクッキー交換を見物していた私は、イロスのその言葉を聞いてギクリとしました。


なぜなら私も以前から賭博が好きで、たびたび妻に迷惑をかけたことがあったからです。 私は恐る恐るイロスに訊ねてみました・・・。

「賭博に依存すると、どうして不味いクッキーを美味しそうに食べれるんだい?」


イロスは、真面目な顔になってこう答えました。

「あの男が食べているクッキーは、お節介焼きという名のクッキーなんだ! 相手の女の子はかなりのお節介焼きなのさ。」

「お節介を焼くことは本来、罪なんだよ。 でも、賭博に依存する人にとっては、逆にご馳走になってしまうのさ・・・。」


「ちょっと待った! ねぇイロス、他人の世話を進んでするということは良いことじゃないか! 何でお節介を焼くことが罪になるのか、私には理解できないね・・・。」


イロスは少し考え込むと、こう答えました。

「あのね・・・、あなたの場合どうだったかよく考えてごらん! もしあなたの奥さんが、何でもかんでもあなたの世話を焼きたがる人だったら、嫌になったと思わないかい?」

「人間は自分の行動に干渉されるのが、本来はとても嫌なものなんだ。 でも、賭博に依存するとそうでなくなってしまう・・・。」

「賭博に依存すると、誰に対しても見境(みさかい)無しに迷惑をかけてしまうし、何でもかんでも甘えてしまうんだ。 だから、お節介を焼かれることを喜んでしまうんだ。」


「ふうん、そんなものなのかね・・・。」


NHGBAO89「残念ながら、あの娘と男の将来は大変だね。 そして二人とも、すぐにあのリストに戻ってくる可能性が高いんだ。」

「お節介を焼くと、焼かれた人はいつまでたっても一人前になれない。 だから、お節介は罪なんだよ・・・。」


 


それからも私たちは森の中を歩き、いろいろなカップルたちを見て歩きました。


頭を抱えながら、無心にクッキーをついばむ男、眉間にしわが入り形相まで変わってしまっている娘、飲み込んだものの、どうにもならず顔を真っ赤にして吐き出している男・・・。


殆どの者が苦しみながら、クッキーを飲み込もうとしています。 でも、中には全く食べようともせずに、じっとしている人もいました・・・。


私はイロスに訊ねてみました。

「ねえ、どれだけのクッキーを食べたのか、あの人たちはお互いにわからないのかい?」


「それはね、お互いの秘密なんだよ・・・。」

「どのクッキーを、どれだけ食べたか? 食べ残したか? 全く食べなかったのか? そういったことは相手にはわからない。 秘密になっているのさ・・・。」

「でも一ついえることがある。 相手のクッキーをあんまり食べなかった人は、すぐにまたリストの中に戻ってくることになる・・・。」

「でも、全てのクッキーを食べ終えたとしても、あのリストに戻ってこないとは限らないんだ・・・。」


私はリストに戻ってくるという言葉の意味が、よくわかりませんでした。 だから、イロスにこう訊ねたのです・・・。

「リストに戻ってくるってことは、一体どういうことなんだい?」


「それは、そのカップルたちが別れてしまうということなんだ。 今この時点で、その人が許す罪はどこまでかってことは、もう決まっているのさ! つまり・・・、そのカップルがこの先どうなるのかってことも、既に決まっているといえるんだよ・・・。」


私はその話を聞いて、驚きました。 そして、ハッと思いました。 


“では、私と妻の場合はどうなっているのか?” このことが気になってしょうがなくなったのです・・・。



〜続く〜

『キューピッドのリスト』 第5章 楡の木の下で

第5章 楡の木の下で


「では・・・、私と妻の場合もそうだっていうわけなんだね?」


私は、力なくイロスに訊ねました。 彼の次の答えを聞くのが、とても怖かったからです。 彼は私の目をまっすぐ見て、こう言いました。

「勿論、わかっているさ!」


「では、私と彼女がここに帰ってくるのか、それとも帰ってこないのか、帰ってくるとしたらいつなのかも、わかっていると・・・。」


「そういうことだよ。」


「じゃぁ・・・」

私は決心して、こうイロスに切り出しました・・・。

「私たちがここに帰ってくるのかどうか、教えてくれないか?」


イロスは両手を挙げて、こう答えました。

「それは無理だね。 そもそも、ここまでのことをあなたに見せてあげることでさえ難しいのに、これ以上のことをするのは、ここでの決めごとに背くことになってしまうのさ!」


イロスにそう言われて私は少しガッカリしましたが、それ以上にホッとしました。 それはそうでしょう! 誰だって、自分と妻が将来別れてしまうなどと宣告されようものなら、驚きと失望でどうにもならなくなってしまうでしょうから・・・。


その時私の心に、ふとした疑問がわきました。 

“私と妻は、どのようにクッキー交換をしたんだろう?” という疑問です。 私は、イロスに言いました。

「じゃあ、私と妻もこのように出会うきっかり3日前に、ここでクッキー交換をしているってわけなんだね・・・。」


私は彼女と出会った頃のことを、ふと考えました。 そして二人が出会う3日前、自分は何をしていたのか必死になって想い出そうとしていたのです・・・。


でも、想い出せませんでした。 私と妻は、本当にちょっとした偶然が積み重なって出会ったといえるからです。 


あの日私は、町の病院の中にある薬局で彼女と出会いました。 白衣を着た彼女は、私と目を合わすことも恥らうような乙女でした。 あの日私が彼女から聞いた言葉は、「お大事に・・・」というひとことだけです。


患者とその薬を処方した薬剤師・・・。 あの時の私たちの出会いは、それ以上の何物でもありません。


イロスが言いました。

「そのとおりさ。 そうそう! あなたとあなたの奥さんがクッキー交換していた場所に、今から行ってみるかい?」


「えっ! その場所をキミは憶えているんだね。 是非とも案内してくれないか?」


「いいとも! それぐらいのことだったら、叶えてあげる。 じゃあ、付いておいでよ!」


イロスはそう言って歩き出しました。 そこから森の奥に向かって、私たちは5分ほど歩いたでしょうか。 古い大きな楡の木(にれのき)が見えてきました。


イロスが私に向かって言いました。

NMNHGSTY「あの大きな楡の木の下で、あなたたちはクッキー交換したのさ!」


そう言って、イロスは大きな楡の木を指差しました。 私が彼の指差した方を見ると、そこには一組のカップルの姿がありました。


私は、そっと二人の近くに向いて歩き始めました。 そして、彼らの顔がわかるくらいまで近づいた時、思わず叫び声を上げそうになったのです・・・。


〜続く〜

『キューピッドのリスト』 第6章 楡の木の下で その2

第6章 楡の木の下で その2


まず最初に私の目に映ったのは、日焼けした若い男の顔でした。 私は鳥撃ち帽(注2)を被った彼の顔に見覚えがありました。


rozya-生意気そうな顔のその男はあごの下に手を沿え、しかめっ面をして物思いに耽っていました。 クッキーを食べている様子はありません。


彼が着ているアーガイル(注3)のセーターは、以前私が好んで着ていた物です。 若い頃の自分と再会するというのは、なんともいえない気分でした。


それにしても・・・、今見つけた若い頃の私はクッキーを食べてはいないのです。

「あれは、若い頃の私じゃないか・・・!」

私は驚いてそう呟くとともに、自分自身がクッキーを食べていないことを不思議に感じました。 そしてその後ろに居るのが私の妻だと思って、はっとしたのです・・・。


それから私はそおっと、反対側に居る娘の顔を覗き込んでみました。 予想通りその娘は私の妻でした。



 



それは若い頃の妻でした。 私が始めて出会った時の彼女がそこに居ました。


白衣こそ着ていませんでしたが、特徴の或る横顔と長いまつげ、そして憂いを含んだ瞳はあの時の彼女のものでした。


病院の地下にある薬局の窓口で、私にそっと薬の入った白い袋を手渡してくれた彼女そのものだったのです・・・。 


目の前に居る彼女は目を閉じたまま、少しづつ耐えるようにしてクッキーを頬張っていました。


その時私と、少し遅れて歩いてきたイロスの目が合いました。 彼は意味ありげに微笑むと、こう言いました。

「若い頃の自分を見るって、どんな気分なんだい?」 


私は彼のその質問には答えることができませんでした。 私はまるで吸い寄せられるように、目の前にいる妻に近づきました。 


後ろでイロスの慌てた声がしました・・・。

「声をかけちゃ、いけないよ!」


私は妻の顔を見つめました。 そしてその時の妻の顔を見たとき、一つの出来事が思い出されたのです。


それは、私たちが一人の赤ちゃんを授かった時のことでした。 




結婚してしばらくの間、私たち夫婦は子供に恵まれませんでした。 私の両親も妻の両親もそのことを嘆き、どうしたものかといろいろと手を尽くしてくれました。


親たちは子宝に恵まれるというお守りを買ってきてくれたり、いろいろなまじないを試してみたり、子供を授かりやすいという食べ物を持ってきてくれたりしました。


我々夫婦は、そういったものをいろいろと試してみたりしました。 しかしながら効果は無く、子供を授かることも無かったのです・・・。


或るとき私の母が隣町の教会に行って礼拝を受け、そこで貰ったクッキーを子供を授かるようにといって、妻に届けてくれたことがありました。


妻は母に丁寧に礼を言いそのクッキーを口にしましたが、翌日には体調を崩して寝込んでしまいました。


その後しばらく妻の体調は快復せず寝込んだままでしたが、2か月後妻はめでたく懐妊しました。 


この時の私はあの時、妻が母の届けてくれたクッキーを食べている姿を、ふと思い出していたのです・・・。


私の両目から大粒の涙が溢れました。 私はこのとき初めて、あのときの妻の気持ちがわかったのです・・・。


子供を授からないことを気に病んで、心細くクッキーを頬張るのは一体どんなにつらい気持ちだったのでしょう?


KIJHGT5そしてあの頃の私ときたら、そんなことには一切お構い無しに、のうのうと毎日賭博に明け暮れていたのです。


家にいて妻の傍(かたわら)にいようともせず、暇を見つけては賭博場に通っていたのでした・・・。 


目の前にいた妻は、あの時と同じ表情でクッキーを食べているのです。 私は今まで自分がどれほど大きな罪を犯していたのか、このときになって初めて気がついたのでした・・・。



〜続く〜

(注2)鳥撃ち帽:狩猟で被る帽子のこと。 ハンティングともいわれる

(注3)アーガイルのセーター:昔から愛好されてきた、ひし形を重ねた幾何学模様のこと

『キューピッドのリスト』 最終回 あなたへ

最終回 あなたへ


私は、妻の前に歩み寄りました。 


my love彼女は私の目を見つめると、優しく微笑みました。 その顔には私を責める様子など、全くありませんでした。 


あの頃私が仕事から帰ってきた時、妻はどんなに自分が疲れていても私の話を一生懸命聞いてくれました。 この時の妻は、あの優しい目をしていました・・・。


私は妻に駆け寄りその手を取りました。 いつも薬局で器用に薬包紙(注4)を畳んでいる白い指は温かく、いつものように柔らかでした。


私は泣きながら妻の手を握り締め、その目をじっと見つめました・・・。 覆いかぶさるようにして、妻の体を渾身の力で抱きしめました!


それから大きな声で、何度も何度も彼女の名前を呼び続け、「お願いだ! これからもずっと一緒に居てくれ・・・。」と叫び懇願(こんがん)したのです・・


「あーあ、しょうがないなぁ・・・。」

後ろからため息とともにイロスの声が聞こえ、それと同時に私は我に帰りました。


私は机に伏せたまま眠っていたようです。 そしてとても長い時間眠ってしまったと思っていたのに、それがほんの数分間だったことに気付き驚きました。


 


その後、イロスが私の前に現れることはありません。 きっとあの時の彼は気まぐれに、うたた寝している私に付き合ってくれただけだったのでしょう・・・。


でも彼と出会ってからというもの、私はとても元気になりました。 もう賭博に行くこともありませんし、仕事も順調にいっています。 家族は、そのことを喜んでくれているようです。


我が家のキューピッドたちは、ますます元気です。 何よりも一番嬉しいことは、妻がとても楽しそうに笑うようになったことです・・・。




思えば人間は、いつだって罪を犯しながら生き続けているものなのかもしれません。 私だってそうでした・・・。


そして誰もがこのことに気付くことなく、日々無邪気に暮しているものなのでしょう。


私はイロスと出会ったことにより、そういった罪を許してくれる人の存在とその尊さを知ることができました・・・。


だから次に彼と出会ったときは正直にこのことを告げ、お礼を言おうと思っているのです・・・。




ところで少し冷え込んでいますが、この週末はとてもよいお天気になったようです。


よろしければ私と一緒に、森へ出かけませんか?


NHZJu76こんな晴れた日の午後に森へ行くとき、私はいつも色とりどりのキャンディーをこっそりとポケットに入れて出かけるのです。


そしてまたイロスに出会えるのではないかと思い、ふと悪戯っぽく微笑んでしまいます。


そうそう! あれ依頼私は週末になると、妻の焼いたクッキーを彼女と一緒に味わうのが、何よりの楽しみとなりました。


このことを、最後にあなたへお伝えしておきます。


〜完〜



(注4)薬包紙:粉末の薬を包んで処方する為の紙のこと

少年と二人の神 第1章 二人の神

作 タカビー


携帯からお読みのあなたは、#ボタンを押すと簡単に次のページにジャンプできますよ!(^ε^)


第1章 二人の神



昔あるところに、一人の少年が住んでいました。 少年は家が貧しかったので、鍛冶屋(かじや)の親方の館(やかた)に住み込んで働いていたのです。


少年少年は親方のもとで働きながらも自分の家へ仕送りし、僅か(わずか)ずつではありましたが貯金もしていました。


少年はとても真面目で、親思いの優しい子でした。


〜少年には夢がありました・・・。〜


それは自由に空を飛ぶことだったのです。


毎日、親方の下で働きながらも、いつも少年は空を飛ぶことばかり夢見ていました。 


そしていつしか、少年は空を飛ぶことばかりか翼(つばさ)が欲しいと願うようになったのです・・・。


〜少年は祈り続けました。〜


毎日、神に願い、そして祈り続けたのです。

“かみさま・・・、どうか私に翼を与えてくれませんか・・・!?”

“もし翼があれば、私はどんなに幸せに生きることができるでしょう!”

“そしてこの世の果てまでも飛んで、本当の自由を手に入れることができるのです!”


〜彼は毎夜のように、そうやって神に祈りを捧げました。〜 


しかしながら、少年の夢は決して叶えられはしなかったのです・・・。


〜続く〜
♡ランキング応援してね!
「なかなか良かったよ!」
って時、 応援お願いします!

  
↓クリックしてね♪

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へ
♡『 キューピッドのリスト』第1話から
my love
♡ 『少年と二人の神』第1話から
少年
♡ 『朝の告白』第1話から
ATS2
♡ 『砂上の街』 連載中!第1話から
beauty3
♡ お困りの方はこちらから
beauty3


@ タカビーにメールする
pen

☆自己啓発のススメ
ネットの優しい神様、
田淵隆茂の公式ブログ
コチラからどうぞ!!
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
livedoor プロフィール
  • livedoor Readerに登録
  • RSS
  • livedoor Blog(ブログ)